2025年8月せぼね通信『糖質制限って、結局いいの?悪いの?』
2025年7月25日
最近よく耳にする「糖質制限」。
ダイエットや健康のために糖質を控える人が増えていますが、一方で「糖質を減らしすぎるのはよくない」という意見もあり、何が正しいのか迷ってしまいますよね。
実は、糖質制限が注目されるようになったのは、糖尿病患者の増加がきっかけでした。糖質を控えると血糖値の急上昇を防げるため、糖尿病の改善や体重の減少に効果があるとされてきたのです。
こうした流れで、病気のない人にまで「糖質を減らすのが健康によい」というイメージが広がりました。

でも、ちょっと待ってください。
戦前の日本人は今よりもずっとたくさんごはん(=糖質)を食べていました。にもかかわらず、糖尿病の人は今よりはるかに少なかったのです。
ではなぜ、糖質摂取が減っている現代のほうが糖尿病は増えているのでしょうか?
【糖の“質”が変わった?】
その理由のひとつが、「砂糖(ショ糖)の摂取量の増加」です。
戦後の食の欧米化にともない、お菓子やジュース、加工食品に含まれる砂糖が一気に増えました。
特に「果糖」を多く含むショ糖は、肝臓に負担をかけ、内臓脂肪を増やし、インスリン(血液の中の糖を、細胞に運ぶ役割)の働きを弱める原因になることが分かっています。

つまり、昔と今では「糖の質」が大きく異なっているのです。
昔の糖質、自然な炭水化物(ごはん、芋類など)でしたが、今は精製された単純糖質が多くなっています。
これが、一言で「糖質」といっても、体への影響が異なる理由の一つです。
【もう一つのカギは「油」】
そしてもう一つ、見逃せないのが「油の変化」です。
戦後、サラダ油などの「リノール酸」を多く含む油の使用が急増しました。
この油は、体内で「アラキドン酸」という炎症物質に変化しやすく、慢性的な炎症を引き起こします。
この炎症こそが、インスリンの働きを邪魔する=インスリン抵抗性の原因とされているのです。

つまり、「糖質が悪い」というよりも、「どの糖質を体に摂りこむか」が大事ということです。
さらに、加工食品や添加物により腸内環境が悪化し、代謝に必要なビタミンB群が作れなくなると、体のエネルギー工場=ミトコンドリアも元気がなくなり、代謝が下がっていく…。代謝が十分にできないと糖尿病や慢性疲労など、さまざまな不調につながっていくのです。

【結論:「糖質=悪」ではなく、「代謝できる体づくり」が大切】
糖質制限は一時的に体重を落としたいときには効果的かもしれません。
でも、「とにかく糖質を減らせば健康になる」というのは誤解です。
本当に大切なのは、糖をエネルギーとして使える「代謝力のある体」づくりです。
そのためには、砂糖を控える、炎症を起こしにくい油を選ぶ、腸を整える、そして偏らない食事バランスが何よりの基本です。
「制限」よりも「整える」。
それが、これからの時代の健康習慣です。

【碓田紗由里より】
糖質制限と聞くと、「糖尿病」や「ダイエット」のイメージを持つ方が多いと思います。
私も栄養のアドバイスの中で「糖質を控えましょう」とお伝えすることはありますが、完全に糖質をゼロにすることはおすすめしていません。それは体にとってかえってマイナスになることもあるからです。
大切なのは、「糖質をなくす」ことではなく、糖の代謝を正常に近づけていくこと。これが本当に大事なポイントです。
糖代謝が整ってくると、
シミ・しわ、抜け毛、二の腕やお腹のたるみ、女性の薄毛、生理痛・生理不順、さらには認知症の予防まで
驚くほど、いろんなことが改善されて、なにより体も心も元気になります。
まさに、究極のアンチエイジング。
ちなみに私自身も、糖質を摂りすぎるとすぐに太ってしまう体質で、ニキビも出やすくなります。だからこそ、普段から摂りすぎないように気をつけています。
みなさまも、糖と上手につき合いながら、毎日を元気に、そして若々しくお過ごしくださいね。
虎ノ門カイロ物語91
「姿勢と健康」の講師への道のり
◆前号までのあらすじ
2001年3月、アメリカのカイロプラクティック大学を卒業し帰国。渋谷カイロプラクティック院に勤めつつ、甲木(かつき)先生が大学で講師を務める「姿勢と健康」のアシスタントに。その年甲木先生の定年退職を受け、二代目講師のオファーを受けた。「姿勢と健康」の誕生秘話は「背骨の歪みの原因は姿勢にあるのではないか?」という仮説がスタートだった。
剣道部員に姿勢の大切さをレクチャーしたのがきっかけで、大学の正式講座として誕生した「姿勢と健康」。1980年4月「姿勢と健康」が開講すると、徐々に人気講座に。
当時は、全学生が保健体育科目を受講しないと卒業できないという現実があったものの、応募者が定員を超え、抽選になるほどだった。
ちなみに僕は1990年の4月に受講したのだが、運よく抽選に通ったのだ。
甲木先生の「姿勢と健康」が2001年度で終わり、2002年度から僕が引き継ぐ話が進んでいった。
僕が新たな講師になるための手続きにおいて、細かいところまで資料の提出を求められたことを覚えている。最終的に大学の審査をパスし、2002年度から「姿勢と健康」の講師として認められたのである。
いよいよ、僕自身が感動した「姿勢と健康」の授業を教える立場になる。姿勢が原因で体の不調を抱えている多くの人に対し、僕の授業が役に立てると思うと、なんとも言えない喜びが込み上げてきた。
次号に続く 碓田拓磨
