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2026年7月せぼね通信「やる気が出ない」のは姿勢のせい?-心を変えるより、まず姿勢を変えてみる-

2026年6月29日

「やる気が出ない」のは姿勢のせい?
-心を変えるより、まず姿勢を変えてみる-

皆さんは気分が落ち込んだとき、どんな姿勢になっているでしょうか。
背中が丸まり、肩が内側に入り、自然と視線も下を向いていることが多いのではないでしょうか。

私たちは普段、
「気分が落ち込むから猫背になる」
と考えています。

もちろんそれも正しいのですが、実はその逆に、
「猫背だから、気分まで落ち込んでしまう」
という流れもあるのです。

近年は脳科学の分野でも、心や感情が体の状態から強く影響を受けることが分かってきました。

■姿勢が、気分を動かす

ある研究では、気分が沈みがちな人に背すじを伸ばして座ってもらうと、疲労感が減り、前向きな気持ちが増え、口数も自然と増えたと報告されています。

気分が晴れたから姿勢が伸びたのではありません。姿勢を伸ばしたことで、気分のほうが後から動いたのです。

こうした「体から心への流れ」は、呼吸や自律神経にも同じように当てはまります。

■猫背になると呼吸が浅くなる

猫背になると胸郭(肋骨まわり)の動きが制限され、呼吸が浅くなります。
呼吸が浅くなると体内に取り込める酸素量が減り、脳や筋肉へ十分な酸素が届きにくくなります。

すると、
・疲れやすい
・頭がぼんやりする
・集中力が続かない

といった状態につながることがあります。

「なんとなくやる気が出ない」
という状態の背景に、浅い呼吸が関係していることも少なくありません。

■姿勢と自律神経の関係

呼吸は自律神経とも深く関わっています。

呼吸が浅い状態は、体にとって「緊張している状態」です。

そのため交感神経が優位になり、
・イライラしやすい
・不安を感じやすい
・眠りが浅くなる
などの変化が起こりやすくなります。

反対に、姿勢を整えて深く呼吸できるようになると、副交感神経が働きやすくなり、体はリラックスモードへ切り替わります。

■まずは体から整えてみる

気分が落ち込んでいるとき、
「元気になったら姿勢を良くしよう」
と思うかもしれません。

でも実際は、
「まず姿勢を整えてみる」のも一つの方法です。

・背筋を軽く伸ばす
・胸を開く
・少し遠くを見る
・ゆっくり深呼吸する

たったこれだけでも、呼吸が深くなり、自律神経は整いやすくなります。

心を変えるのは難しくても、姿勢なら今すぐ変えられます。

最近なんとなく疲れやすい、やる気が出ないという方は、まず姿勢を見直してみてください。
その小さな変化が、心と体を整える第一歩になるかもしれません。

■7月のワンアクション

1日3回胸を開いて深呼吸をしてみましょう

スマホやパソコンを見ていると、知らず知らずのうちに猫背になりがちです。
1回10秒、3回でもたった30秒で出来ますが、自律神経を整えるきっかけになります。
さらに効果を高めたい方は、「キャットレッチ」もぜひやってみてください。


文:碓田紗由里

【あとがき】

私は読書が好きなのですが、最近は本ではなくスマホで読むことが増えました。

気がつくと首が前に出て、背中も丸まり、完全に猫背になっています(笑)。

しばらくその姿勢でいると、肩や首がこるだけでなく、なんとなく頭が重くなったり、集中力が落ちたりすることがあります。

さらに振り返ってみると、私がマイナス思考になっている時は、首や背中まわりがガチガチに硬くなっていることが多い気がします。

もちろん悩みなどストレスが原因のこともありますが、「考え方」の問題だと思っていたことが、実は「体の状態」と関係していることもあるのかもしれません。

今回の記事を書きながら、まずは自分自身が姿勢と呼吸を意識しようと思いました。

皆さんもぜひ、ご自身の体の状態に目を向けてみてくださいね。

碓田紗由里

姿勢と健康クイズ
「だから姿勢は大事だった!!」

猫背でいると、ある「思い出し方」に変化が起きることが研究で分かっています。次のうち、実際に研究で報告されている現象はどれでしょう?
当てはまるものを一つ選んでください。
①楽しい記憶のほうが思い出しやすくなる
②つらい・嫌な記憶のほうが思い出しやすくなる
③記憶そのものが消えやすくなる

米国サンフランシスコ州立大学の研究チームが、216人の学生を対象に、ある実験を行いました。
全員が両方の姿勢を試して、どっちが思い出しやすいか比べた上で、それぞれの姿勢のまま「つらかった記憶」と「楽しかった記憶」を思い出してもらったのです。

すると、おどろくべき結果が出ました。
猫背の姿勢では、86%もの人が「つらい記憶の方が思い出しやすい」と答えました。

逆に背すじを伸ばした姿勢は、87%の人が「楽しい記憶の方が思い出しやすい」と答えたのです。

同じ人、同じ脳、同じ人生の思い出です。変えたのは「姿勢」だけ。それなのに、頭に浮かんでくる記憶が変わってしまうのです。
これは、脳が姿勢から「今の自分の状態」を読み取っているからだと考えられています。猫背=うつむき=「沈んでいる時」の姿勢。脳はそれに合わせて、過去のネガティブな記憶を引っぱり出してきてしまうのですね。
つまり、なんだか気持ちが晴れない時、それは案外「姿勢のせい」かもしれないのです。

◆今月の10秒実践◆

【落ち込んだ時こそ、まず背すじを伸ばす】
気分を変える前に、姿勢を変えてみてください。
答え:②
碓田拓磨