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2025年10月 せぼね通信『ぐっすり眠ってガンを遠ざける?』

2025年9月26日

実は「睡眠」と「ガン」には深い関係があります。もちろん、他にもいろいろな要因はありますが、今回は睡眠との関係について紹介します。

【NK細胞は体のパトロール隊】

私たちの体では、毎日小さなガン細胞が生まれています。これを処理してくれるのが NK細胞(ナチュラルキラー細胞) という免疫のパトロール隊です。ところが、一晩寝ないだけでNK細胞の働きは 40%も低下する というデータがあります。つまり「眠らない=免疫のパトロールが止まる」ことなのです。

【眠りを支えるビタミンB群】

さらにガンの正体は「遺伝子の異常」。眠っている間にDNAの修復作業が進みますが、その材料となるのが ビタミンB9(葉酸)とB12 です。これらは遺伝子修復に欠かせないだけでなく、睡眠ホルモンである【メラトニン】をつくる材料でもあり、さらに神経細胞の電位(神経のON/OFFのスイッチのようなもの)を安定させる働きも担っています。これが不足すると眠りが浅くなり、修復のサイクルそのものが乱れてしまいます。

【不足しやすい現代人】

しかし現代では、ビタミンB不足の人が少なくありません。

・肉や魚をあまり食べない
・アルコールや薬の常用
・加工食品の摂りすぎ

といった生活習慣から不足に陥りがちです。

抗がん剤の一つ【メトトレキサート】は葉酸(ビタミンB9)を使えなくすることで細胞の増殖を抑えますが、その副作用として体内のビタミンB9不足を招くことが知られています。

さらに、ビタミンB群を吸収するには 胃酸 が欠かせません。胃酸をしっかり出すには、副交感神経の働きが大切です。
ところが、ストレスで交感神経が優位になると胃の血流が減り、消化機能や胃酸分泌のバランスが乱れます。
さらに市販の胃薬を長期で使うと胃酸が抑えられすぎ、ビタミンB12や鉄の吸収不良を招くことがあります。

加えて、免疫を強化するためには 亜鉛や抗酸化物質(ビタミンC・E、ポリフェノールなど)が 必要ですし、ベータグルカン(キノコ類や大麦に含まれる成分)はNK細胞を活性化させることで知られています。

 

【夜の眠りは朝の味噌汁から始まる】

では、眠りと栄養を整えるために、今日からできることをひとつ。

朝食に具だくさんの味噌汁を取り入れてみてください。

味噌汁に入れる野菜や豆腐、海藻には カリウム が豊富に含まれています。カリウムは自律神経を落ち着かせるのに役立ちます。さらに、味噌汁のように朝に適度な塩分をとることで、日中に必要なホルモン、コルチゾールの分泌がスムーズになり、体がしっかり活動モードに入ります。その結果、夜には自然と眠りを誘うメラトニンが出やすくなり、一日の体内リズムが整いやすくなるのです。

つまり、朝の具だくさん味噌汁は、夜のぐっすり睡眠につながる“最高の準備”になるのです。

秋は食材が豊富な季節。魚や緑の葉野菜、キノコを楽しみながら、しっかり眠って体の「修復工場」をフル稼働させていきましょう。

【碓田紗由里より】

ぐっすり眠るには、栄養や生活習慣に加えて 自律神経のバランスも大事です。交感神経ばかり優位になると、胃酸が出にくくなり、眠りも浅くなってしまいます。

実はこの前、夜中に吐き気で目が覚めて「これが逆流性胃腸炎か!」と初めて実感しました。子ども達の夏休みが終わってホッとするかと思いきや、意外とバタバタで、その日はコーヒーをガブガブ飲んでいたんです。いや〜、やってしまいました…。翌日は反省して、副交感神経を刺激することをあれこれ実践しました。

ちなみによく誤解されていますが、逆流性食道炎の胃酸は「弱い胃酸」がたくさん出ている状態なんです。もし強い胃酸がそのまま逆流したら、のたうちまわるほどの痛みになります。本来はしっかり胃酸が出ていれば、胃の入り口のフタがしっかり閉まるので逆流は起きにくいんです。胃酸が出過ぎているから胸やけが起こっていると思って、胃腸薬を長期に渡って飲むと、さらに胃酸が弱くなり、ビタミンB群が吸収されない、睡眠の問題など悪循環が起こり始めます。

カイロプラクティックの施術も、背骨や姿勢を整えることで副交感神経にスイッチが入りやすくなるので、体がリラックスモードに切り替わります。結果的に眠
りも深くなり、栄養の吸収や体の修復力も上がっていきます。
つまり施術は、ただ体を整えるだけじゃなくて、眠りの質を高めるサポートにもなっているんです。

 

虎ノ門カイロ物語93
「姿勢と健康」の講師への道のり
◆前号までのあらすじ

2002年度から「姿勢と健康」を甲木(かつき)先生から引き継ぐことになった僕は、ついに講師として初めて教壇に立った。緊張の中、自己紹介と授業への想いを語り始めると、不思議と心が落ち着いていった。

「姿勢と健康」の講師として教壇に立った時、僕の大きな「夢」がかなった瞬間だった。

会社員時代「一人でも多くの人の健康の役に立ちたい。そのために僕に何かできることはないか?」と自問自答した。その答えが「姿勢と健康の先生のようになって、一人でも多くの人に姿勢の大切さを伝える」という「夢」だった。

そのために、会社を辞め、アメリカに4年3か月留学し、ドクター・オブ・カイロプラクティックの学位を取得し、甲木先生の後継者として認められて、やっとたどり着いた瞬間だったのだ。

そのあふれる想いを学生たちに話すと、学生たちが少しずつ前のめりになって聞いているのを感じた。

どうして姿勢が大事なのか。子供の頃、先生や親から姿勢を注意されてもなぜ姿勢が良くならなかったのかなど、姿勢についての話を聞く時の真剣さは、まるで過去の自分を見ているようだった。

特に「姿勢の違いによる呼吸の深さの関係」を実感してもらったとき、教室全体が「なるほど~」という空気に包まれた。あの瞬間、知識が学生たちに伝わった手ごたえを、確かに感じた。

こうして、僕の「姿勢と健康」講師としての第一歩が始まったのである。
次号に続く 碓田拓磨