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2025年5月 せぼね通信『子どもの側弯症の原因と予防』

2025年5月2日

子どもの側弯症の原因と予防

「側弯症を指摘されたことがある」「自分の子どもが側弯症かもしれないと言われた」——そんな経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。

側弯症は、子どもの時と大人になってからでは発症のメカニズムが異なります。
今回は、子どもの頃に起こる側弯症のメカニズムと、その予防法についてご紹介します。なお、ここでは【先天性や病気による側弯症】は除いてお話しします。

【まず結論から】

お子さんの側弯症を予防したい、または「側弯症の疑いがある」と言われた場合は、以下を意識してください。

① ビタミンB群をしっかり摂る
② 外遊びをよくする(ビタミンDのため)
③ 肉・魚などのタンパク質を十分に摂取
④ 腸内環境を整える(納豆や発酵食品を摂り、砂糖や乳製品を控える)
⑤ 左右にねじれる姿勢習慣を見直す

 

【子どもの側弯症の原因とは】

側弯症は、特に10歳前後の女の子に多く見られます。特にやせ型の女の子が発症しやすいと言われています。

この時期、体内では「エストロゲン」という女性ホルモンが急激に増えます。
エストロゲンを代謝するためにはビタミンB群が必要ですが、エストロゲンの増加により、体内のビタミンBが不足しがちになります。

ビタミンB群(特にビタミンB9=葉酸)は、骨を左右対称に成長させるために欠かせない栄養素です。不足すると、骨が左右非対称に成長しやすくなり、側弯症のリスクが高まります。

 

【ビタミンBが不足する理由】

ビタミンB群は、肉や魚に豊富に含まれています。以下のケースでは不足しやすくなります。

① 小食の子ども
② 菜食中心の食生活
③ 加工食品や砂糖を多く摂る
④ 薬(特に抗生剤)の服用
⑤ 腸内環境の乱れ

 

 

特に重要なのは腸内環境です。

ビタミンBの半分以上は腸内細菌によって作られているため、腸内環境が悪いとビタミンB不足に直結します。

また、抗生剤を1回服用すると、腸内環境の回復に1年かかると言われています。
抗生剤の使用は、できるだけ慎重にご検討ください。

※男の子でも、ビタミンBが不足している場合は側弯症リスクが高まることがあります。

 

【姿勢習慣との関係】

読み書き時の姿勢の悪さと側弯症には、関連があることが研究データから分かっています。

特に注意が必要なのは、猫背だけでなく、横座りや脚を組む姿勢です。これらの姿勢は、背骨を無理に曲げてしまうため、側弯症のリスクを高めると考えられています。

お子さんが正しい姿勢を保てるように、ぜひ次の点をチェックしてみてください。

① 机とイスの高さが合っているか
② スマホやタブレット使用時に、
姿勢が崩れにくい環境を整える

小さな工夫でも、将来の体づくりに大きな違いをもたらします。

 

【すでに側弯症と診断された場合】

すでに骨に変形がある場合、完全に元に戻すことはできません。
しかし、進行を止められる可能性はあります。

実際、ビタミンB群をしっかり摂ることで進行を食い止められたという研究報告もあります。

側弯症についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひご相談ください。

 

【碓田紗由里より】

最近、知人の娘さんが側弯症で手術を受けることになったと聞き、とても胸が痛みました。
我が家にも思春期に入った娘がいるので、他人事とは思えず、心配になっていろいろ調べてみました。

その中で分かったことは、側弯症は、ある程度予防できる可能性があるということでした。

もともとは「整形外科の分野のこと」と思っていましたが、調べるうちに、生理学や栄養学など、体の働きに深く関わる話だということが分かってきました。

もちろん、先天的な要因や病気による側弯症など、予防が難しいケースもあります。
それでも、「予防に勝る治療はない」という言葉の通り、知っていれば防げることもあるはずです。

私は、正しい知識とその実践こそが最大の予防だと信じています。
このニュースレターを通じて、少しでも皆さんのお役に立てる情報をお届けできたら、とても嬉しく思います。

 

虎ノ門カイロ物語88
「姿勢と健康」の講師への道のり

◆前号までのあらすじ
2001年3月、4年間の米国留学を終え、当時日本に100名程度だったドクター・オブ・カイロプラクティックを取得。日本に帰国し、恩師である甲木昶(かつきひさし)先生の【渋谷カイロプラクティック院】で見習い生活がスタート。同時に志願して「姿勢と健康」のアシスタントに。

授業のアシスタントとして甲木先生の話を聞いていると、「この話、僕が大学生の時にもやっていたな」という話が結構あった。

特に印象深かったのが、【なぜ甲木先生が、当時勤めていたNHKを辞めてカイロプラクティックの道に進むことになったのか】という話は「え~ッ!!そんなこと、あるんですか?」というくらいのストーリーだ。

また、【どうして「姿勢と健康」という授業が誕生することになったのか】という話も深く感心させられる。確かに、他の大学では聞いたこともない授業である。

甲木先生は、最初の授業でそのあたりのエピソードを話すのだ。受講生はそのストーリーに聞き入っていた。

その大正時代にまでさかのぼるストーリーは
【運命】という言葉がピッタリの話である。

僕が大学時代にこの授業を受講し、一度一般企業に就職するも、再びカイロプラクティックとの接点があり、アメリカに留学することになった流れも、約100年前から繋がっている気がしてならない。

次号に続く 碓田拓磨