2025年4月 せぼね通信『見落とされがちなストレス「血糖値」』
2025年4月8日
体の不調で病院へ行って「ストレスですね」と言われた方もいると思います。その際「どうしたらいいの?」と感じたのではないでしょうか?そこで、新年度が始まっていろいろなストレスも増える時期ですので、ストレスについてご紹介します。
【見落とされがちなストレス血糖値】
漠然とした不安感がある、イライラ、パニックなど、こういった場合、精神的ストレスが原因と思われがちですが、それは原因の一つにしか過ぎません。
ストレスは、精神的ストレス以外に、肉体的ストレスと栄養/ケミカル(化学)的ストレスがあります。
これらのストレスは、それぞれ作用しあっています。例えば、脂質不足になると慢性肩こりになる。精神的ストレスがあると、首が回せなくなるなどたくさんあります。
原因は、性格や環境、仕事や人間関係など様々ですが、「血糖値の乱れ」によって、不安感やイライラが増幅してしまうことがあります。
そもそも、感情はただ単に頭の中で起こっているわけでなく、必ず体の中で生理学的変化が起きています。例えば、怒っている時は心拍数が早くなる、悲しい時は涙が出たりします。その時、体内では、心拍数や血圧、血糖値の変化、コルチゾールやセロトニンなどホルモンの分泌など、何かしらの変化が起きているのです。
【低血糖が不安感を増幅させる】
血糖値というには、血液中のグルコース(ブドウ糖)の量のことです。わかりやすく感情に影響するのが、「低血糖」です。
血糖値が下がりすぎると、ちょっとしたことで落ち込んだり、イライラしたり、やる気を失ったりします。子どもがぐずるのは、低血糖が原因ということがよくあります。大人でもお腹が空くと機嫌が悪くなる方いますよね。そのような方は低血糖の影響大です。
低血糖になると脳に栄養がいかなくなることに不安を覚え、体を緊張モードである交感神経優位の状態に持っていきます。交感神経が優位になると、ちょっとしたことに敏感に反応するようになるので、感情的になりやすいのです。
しかし、誰でも空腹になると同じように血糖値が下がるわけではありません。
精神状態に影響を及ぼすほど血糖値が下がってしまう理由は、血糖値をコントロールするシステムが疲弊していることにあります。
栄養に余裕がり、血糖値をコントロールするシステムがうまく働いている方は、空腹になっても気分にさほど変化はありません。
【血糖値を安定させるために】
甘いものや白米、パン、パスタなど糖質が中心の食べ方は、血糖値が乱れやすくなります。
逆に、タンパク質や脂質は、血糖値を安定させ、心の安定に必要なホルモンや神経伝達物質の原料になっているので、しっかり摂ることをお勧めします。特に、朝、食欲がないという方は低血糖になりがちなので、朝食に少し無理してでも魚や肉のタンパク質を食べることをお勧めします。
また、日中や夕食前につい甘いものやコーヒーが欲しくなるという方は、チョコやパンなどでなく、何かタンパク質と脂質を食べると血糖値が安定します。例えば、焼き鳥や野菜スティックを塩とオリーブオイルにつける、ジャガイモにバターなど。
ぜひ実践してみてください。
【碓田紗由里より】
血糖値というと、「糖尿病の方以外は関係ない」と思っている方が多いと思います。ですが、これまで栄養アドバイスをしてきた方たちの中で血糖値に全く問題がなかった人はほとんどいませんでした。ここでいう血糖値は病的なものでなく、健康でいるために必要な値です。睡眠の質やダイエット、アンチエイジングや月経前の不調などいろいろなことに関係してきます。
いろいろあるストレスの中で、その人にとって1番大きなストレスを取り除くのが、その人にとって不調から抜け出す最短の道筋です。血糖値の乱れは、その人の体にとって、1,2を争うくらい上位にくる【ストレス】であることが多いのです。
という私も必要以上にイライラして、つい子供に当たってしまったなと反省することがあります。そういう時、「あ!今、低血糖だ!」と理由が分かると、すぐに冷静になって、「ごめんね。」と謝ることができます。
病気まではいかないけど、長いこと血糖値の乱高下を繰り返していると、少しずつ体を蝕んでいきます。どうせなら血糖値を安定させて、心穏やかに健康に過ごしたいですね。
虎ノ門カイロ物語87
「姿勢と健康」の講師への道のり
◆前号までのあらすじ
2001年3月までの4年3カ月に及ぶ米国留学を終え、当時日本に100名程度しかいなかったドクター・オブ・カイロプラクティックの学位を取得。日本に帰国し、2001年3月末から恩師である甲木昶(かつきひさし)先生の【渋谷カイロプラクティック院】で見習い生活がスタートした。
渋谷カイロプラクティック院は月曜から土曜まで営業していて、甲木先生は毎週木曜の午前中に大学で「姿勢と健康」の授業をしていた。
2001年4月からすぐに新年度が始まり、甲木先生に頼み込んで、新学期の授業アシスタントをさせてもらった。
アシスタントという立場にもかかわらず、講師ひかえ室に通されるとお茶を入れていただいた。当時は先生たちのお世話役がいたのだが、その後はコスト削減のためか、お茶を入れて頂くような事は無くなった(時代ですね)。
最初の授業開始まで数分になり、甲木先生と講師控室から教室に向った。僕が授業を受けた当時(1990年4月)と、建物も教室も全く同じだった。懐かしい!
授業の冒頭、甲木先生は僕を、アメリカに行ってカイロプラクティックのドクターを取得した人物として紹介してくれた。
教室に座っている学生は、11年前の僕と同じ、【姿勢の大切さがよく分かっていない存在】だ。
これから、彼らの【姿勢改善】のお役に立てるかと思うとワクワクしてきた。
次号に続く 碓田拓磨