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2025年3月 せぼね通信『花粉症とビタミンD』

2025年3月3日

「あの人は花粉症がないのに、どうして私は花粉症がひどいのだろう?」と思ったことはないですか?花粉の飛散量が多い、睡眠不足、体質など原因は一つではありません。ですが、「体質は変えられる」が私の経験論です。ゼロにすることは難しいですが、少しでも快適に春を過ごしたいというならやってみる価値が十分にあります。
今回は、花粉症と免疫に関わるビタミンDについてご紹介します。

【花粉に効果?ビタミンDとは】

ビタミンDが花粉症に関係するという研究結果はたくさん出ています。ビタミンDは主に日光に当たることで、体内でコレステロールを基に作られるホルモンの一種です。食べ物では、魚やしいたけなどに少量含まれています。
このビタミンDが免疫のバランスを整えるのに大きな役割を果たしています。

 

【ビタミンDは免疫の指揮者】

花粉症で問題になるのは、免疫の一種であるリンパ球のバランス。リンパ球の中にあるTH1とTH2という免疫細胞のバランスが崩れてしまうのです。

免疫を会社に喩えてみましょう。
TH1部署では、細菌やウイルスに対応しています。TH2部署では花粉に対応しています。

TH1にはパックマンが、TH2にはトカゲが配置されたとします。パックマンは、ウイルスをパクパクと食べて処理します。トカゲは、ウイルスより大きい花粉やハウスダストなどの異物を、毒を吐いて弱らせます。

それぞれの部署に、人員が適切に配置されている時は、問題ありません。ところが、TH2に配属されたトカゲが多く、TH1のパックマンが少ないと部署同士のパワーバランスを崩れてしまい、花粉対策部署が暴走してしまうのです。トカゲが毒を大量に吐き、毒だらけになってしまうのです。

ビタミンDは、そんな部署のバランスを取るコンダクターのような存在。会社だと人事部のような存在です。

 

 

【日本人はビタミンD不足】

冬の間、日照時間が少ないことも春に花粉症になってしまう原因の一つと言われています。
さらに、日本人は日焼けを嫌う傾向があり、年間を通して日光不足な傾向があります。年中不足気味な上、冬はさらに不足してしまうので、いざ春になった時にたくさんの花粉に対応できなくなってしまうというわけです。

ビタミンDは、他にもガンや自己免疫疾患などの病気にも関係しており、コロナが流行りだした当初から、ビタミンDの値が少ない人ほど重症化のリスクが高い、またコロナ後遺症から抜け出すのにビタミンDが大切だという研究報告が出ています。

 

【ビタミンDはどのくらい必要か?】

ビタミンDは、血液検査で調べることができます。40~70ng/mlが理想値です。サプリで補う場合、国の推奨では1日50μg (マイクログラム:1㎍=1gの100万分の1)です。
花粉症の方には、元気に春を楽しむためにビタミンDの摂取をお勧めします。

 

【碓田紗由里より】

前々からよく言っているのですが、
「体質は変えられる!」が私の経験論です。

今回はビタミンDという観点からお伝えさせていただきました。私の栄養学の先生が、「ビタミンDの値を前は測っていたが、今はもう測らない。全員数値が低いから」とおっしゃってました。私がこれまでに見てきた血液検査でもビタミンDが最初から正常値の方はほぼいません。

そういう私も、初めてビタミンDを測った時は、全然足りていなくて「ビタミンD欠乏症」と病名を付けられてしまいました。

調べれば調べるほど、ビタミンDの重要性を実感します。研究者の間でもビタミンDを子供たちに支給するよう国に働きかけているそうです。

花粉症になってしまう原因を探っていくと、色々なことが分かってきます。重度の人が軽度になるよう、今は大丈夫という人には、今後も花粉症知らずでいられるよう願っています。

 

虎ノ門カイロ物語87
「姿勢と健康」の講師への道のり

◆前号までのあらすじ
2001年3月までの4年3カ月に及ぶ米国留学を終え、当時日本に100名程度しかいなかったドクター・オブ・カイロプラクティックの学位を取得。日本に帰国し、2001年3月末から恩師である甲木昶(かつきひさし)先生の【渋谷カイロプラクティック院】で見習い生活がスタートした。

渋谷カイロプラクティック院には、各界の著名人が来院した。具体的には書けないが、政治家、芸能人、有名企業の経営者などもよく見かけた。

まず僕が担当したのが、甲木先生が施術する前に、背骨周辺の筋肉と関節を緩める事だった。アメリカでインターンをさせてもらった岡井先生も筋肉を緩めてから、カイロプラクティックの施術をするスタイルだった。

本来、カイロプラクティックは背骨や骨盤の調整をすることである。なので、それ以外は一切行わない先生もいる。良いとか悪いとかではないのだが、僕は甲木先生、岡井先生に習って筋肉も調整するやり方を採用している。

ともすると、時間配分的にはカイロプラクティックよりも筋肉の調整の方が時間をかけるので、患者さんの感覚的には筋肉の調整の方が重要だと思われてしまう危険がある。

【高層ビル】にたとえると、外壁の役割をする筋肉も大事。しかし、柱である背骨(脊柱:せきちゅう)はもっと大事なのである。その背骨の問題点を、アジャストメントという特殊技術で整えるのがカイロプラクティックなのだ。

話が逸れたが、師匠の影響は大きい。
次号に続く 碓田拓磨