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せぼね通信 2023年4月号

2023年4月6日

花粉症対策③ヒスタミンをコントロールしよう

花粉症の悩みでも、特に朝、目がショボショボしている鼻水ズルズルという方はヒスタミンが原因です。今回はヒスタミンの観点から花粉症対策をご紹介します。

ヒスタミンが多くなると、花粉症、アトピーなどを引き起こします。

【ヒスタミンの本来の役割】

花粉症の薬と言えば抗ヒスタミン薬です。

 

細胞が損傷を受けると、ヒスタミンが出て、炎症反応が置きます。するとその部分に他の免疫細胞などが集まり、修復をスムーズに行うのです。他にも胃酸を分泌する、食べ過ぎを防ぐ、頭の回転をよくするなど様々な働きがヒスタミンにはあります。

【ヒスタミン処理には腸内環境が大切】

問題なのは、ヒスタミンが多く作られ過ぎることです。マスト細胞(肥満細胞ともいう)が異常に活性化するとヒスタミンが大量に作り出されます。その原因は腸内に住む悪玉菌が関係しています。悪玉菌によって、花粉に対して免疫が過剰に働いてしまうのです。

ヒスタミンが過剰になると、DAO酵素という物質がヒスタミンを分解してくれるのですが、DAO酵素を作り出す肝臓・副腎・腸が弱っているとヒスタミンを分解できなくなってしまうのです。

よく花粉症は、腸内環境が大切ということを耳にしたことがある方もいると思います。まさにその通りで、マスト細胞が暴走してしまうのも、DAO酵素が働けなくなるのも腸内環境が関係します。

過剰なヒスタミンの処理には、超、腎臓、肝臓の機能が大切

 

【ヒスタミンの多い食材】

ヒスタミンの多い食材として、赤身の魚、醬油や豆腐、チーズ、キノコ類、チョコレート、燻製、アルコール、酢、加工肉などがあります。

 

意外かもしれませんが、発酵食品もヒスタミンが多く含まれています。他には、残りものを冷蔵庫で冷やして温めてまた冷やしてと繰り返しているとヒスタミンが増えていきます。アルコールもヒスタミンが多い食材なので、花粉症を和らげたい方は控えることをお勧めします。

 

【意識したい栄養素】

ヒスタミンを処理するDAO酵素に必要な栄養素は、ビタミンC、ビタミンB6、銅、マグネシウム、亜鉛などです。

※小魚、牡蠣、鶏肉、ブロッコリーなどに多く含まれます

これまで栄養指導をしてきて、特に亜鉛、ビタミンBが慢性的に不足している方が多いようです。意識して食べることをお勧めします。

 

【腸内環境を整えるために】

「乳酸菌飲料はどうですか?」と聞かれることがあります。もちろん乳酸菌自体は腸にいい影響を与えますので、本来であれば積極的に摂っていただきたいです。

ですが、乳酸菌飲料は甘いものも多く、糖質の多い乳酸菌飲料などは飲み過ぎに注意が必要です。糖は悪玉菌の大好物なので花粉が悪化する可能性があります。個人差はあるのですが、糖のとりすぎは血糖値の乱れに繋がります。飲む量がポイントになります。食後に少し飲む程度がお勧めです。

まだまだ花粉症真っ只中の方も、もう花粉症は終わったよという方も来年の花粉に苦しまないために、参考にしていただけると嬉しいです。

文:碓田紗由里

 

【碓田紗由里より】

引き続き花粉症のお話しをヒスタミンの観点から紹介させていただきました。

ヒスタミンのコントロールにも腸内環境が大切です。日本人は発酵技術に優れているので腸内環境は良さそうな気がしますが、日本人の腸内環境は悪くなっていると報告されています。

本来ならこの時期はお酒とおつまみにチーズや燻製の魚や肉などとお花見を楽しめるはずですが、お酒にもおつまみにもヒスタミンがたくさん含まれています。ひとまず今シーズンは、高ヒスタミン食はさけていただき、来年度に向けて腸活してみてはいかがでしょうか?

「体質は変えられる!」

私の経験から、時間はかかりますが栄養が変わると体質は変えられると断言できます。

ぜひ皆様がより健康体質になり、素晴らしい毎日を過ごせることを願っています。

碓田紗由里

 

オフィス訪問

カイロの勉強会で知り合った同業の賀来(かく)先生(写真右)のオフィスを訪問しました。

賀来先生は、首の一番上の骨しか調整しないカイロの流派の先生です。流派は色々あるものの、カイロプラクティックの最大の魅力は、背骨の調整で神経の干渉を取り除くことです。神経をたとえると電線と同じ。電線がちゃんと電気を流してくれないと電化製品は働きませんよね。

人間の筋肉も内臓も全て神経が動かしています。背骨を調整することで健康になるのは、背骨が神経の通り道だからなのです。

 

虎ノ門カイロ物語64

「姿勢と健康」の講師への道のり

◆前号までのあらすじ

1997年10月米国アイオワ州にあるパーマーカイロプラクティック大学入学。10学期分の単位を取れば卒業なのだが、最難関の2学期で苦しむことに。

2学期もいよいよ期末試験の時期を迎えた。単位が取れるか取れないか最も危ない科目が「中枢神経学」だった。アメリカ人の学生でも3割が落とす最難関の科目だ。

中枢神経学は5回の中間試験、3回の解剖試験などの合計1000点満点に対し、600点取ればパスなのだが、初回の中間試験が26点、次で35点という大失敗をして、期末試験でそこそこの点数を取らないと600点に達しないことが分かっていた。

2学期は睡眠時間が4時間程度だったが、期末試験の1週間前から、(居眠りも含め)寝ると必ず中枢神経学の試験を受けている夢を見た。しかも、試験用紙を前に「分からない、どうしよう!!」という夢だ。僕はそのたび「ハッ」と目が覚めて「夢で良かった~」と思っていた。

全ての期末試験を受け終え、数日後に結果発表の時が来た。壁に貼られた中枢神経学の点数は604点だった。

「天にも昇る気持ち」とは、こういうことなんだと思ったのを、今でも覚えている。

次号に続く(碓田拓磨)