お知らせ

せぼね通信 2023年3月号

2023年3月22日

花粉症対策② 姿勢改善で花粉症が楽になる vol.222

先月号は免疫の観点から花粉症のメカニズムについてお伝えしました。今回は、姿勢の観点からみる花粉症についてお伝えします。ポイントは「自律神経」です。結論から言うと、猫背姿勢は交感神経優位の姿勢です。交感神経優位の時は、花粉に対応する免疫力がうまく働けずに花粉症状がひどくなります。副交感神経をどのくらい働かせることができるのかが花粉症克服のポイントの一つになります。

【花粉症と自律神経】

自律神経は背骨の中を通っている神経の一つで、交感神経と副交感神経の2つからなっています。交感神経は別名「戦いの神経」と呼ばれており、仕事など緊張している時に働きます。

副交感神経は別名「安息の神経」と呼ばれ、リラックスをしている時に働きます。免疫が働くためには副交感神経が必要不可欠です。

【自律神経優位の現代人】

例えば、ボクシングなどの格闘技で戦う時は交感神経優位の状態です。ファイティングポーズを取る時は、腕を前に持ってきて猫背姿勢になります。いくらいい姿勢だからといっても、背すじを伸ばした姿勢で戦ったら、あっという間にやられてしまいますよね。やはり猫背になって構えるのが闘う姿勢です。つまり猫背は交感神経優位の状態なのです。

 

交感神経が優位になると副交感神経は鈍くなるので、花粉に対処している場合ではないのです。現代人は、スマホやパソコンなど長時間猫背になることによって、目の前に敵はいなくとも、無意識の間に闘っているのと同じ状況に陥っているのです。

【花粉症とカイロプラクティック】

長時間下を向いていた李、首が突き出たような姿勢になっていると、間違いなく首、肩、背中は硬くなり、交感神経優位になる傾向にあります。花粉症状以外に、首や肩の凝り、眼の奥の痛み、胸やけ、寝ても疲れが取れないなどの症状が出やすくなります。

カイロプラクティックで首や骨盤の調整(特に首)をすると、副交感神経にダイレクトに働きかけます。副交感神経に働きかけると炎症を抑えるホルモンがでるため花粉のアレルギー反応も和らぎます。そのため首の調整をした後は、鼻が通るようになったという声もよく耳にします。長時間下を向かないようにすることと、キャットレッチで背骨の柔軟性を維持することを意識してみてください。

お花見や行楽の季節です。元気に素敵な春をお過ごしくださいませ。

文:碓田紗由里

 

虎ノ門カイロ物語63

「姿勢と健康」の講師への道のり

◆前号までのあらすじ

1997年10月米国アイオワ州にあるパーマーカイロプラクティック大学入学。10学期分の単位を取れば卒業なのだが、いきなり2学期目に大ピンチをむかえた。

2学期目の科目はどれも難易度が高い。腎臓学、微生物学、末梢神経学、内分泌学、解剖学、触診、リサーチである。

学校は1学期が15週間で、全10学期分の単位を取れば卒業。2学期目が最難関で、中間試験が各科目2回~5回くらいあり、人体解剖の試験も4回あるので、3週目くらいから毎日、何らかの中間試験がある。

僕はカレンダーに最終日から逆算した残り日数と、試験科目を書き入れ、1日終わるごとに「終わった~」という安堵の気持ちを込めて「×」を付けていった。

ある日の事、翌朝7:30に微生物学の試験が予定されていた。膨大な量の暗記(単語だけでなくメカニズムなども)をしなくてはならず、覚えるためにカードを作り始めた。約100枚のカードが完成したのが朝の4時。もちろん覚えるのはそれからだ。

そんなことが続いた日の明け方、シャワーを浴びていたら涙があふれてきた。辛くて泣いたのではなく、変な話だが、頑張っている自分に感動して泣けてきたのだ。

次号に続く(碓田拓磨)