症例集

胸やけの原因は姿勢?|猫背と自律神経の乱れが引き起こす胃の不調

2025年11月5日

■ 症状の解説(一般論)

胸やけは医学的には「胃食道逆流症(GERD)」や「機能性ディスペプシア」と関連づけられることが多い症状です。

原因としては、

* 胃酸の過剰分泌

* 下部食道括約筋の機能低下

* 自律神経系のアンバランス

  などが挙げられます。

特に自律神経の乱れは重要です。胃の働きは副交感神経が優位なときにスムーズになり、交感神経が過剰に働くと消化機能が抑制され、胸やけや胃のムカムカといった症状が出やすくなります。

喩えでいうと…

胃は「料理をするキッチン」、自律神経は「調理のスイッチ」のようなもの。

スイッチが誤作動すれば、火力が強すぎたり弱すぎたりして、料理(消化)がうまくいかなくなってしまうのです。

 ■ 発症のきっかけと経過

今回の患者さんは32歳男性。初回来院時の主訴は「首の寝違え」でした。

問診でさらに伺うと、「5年前から脂っぽいものを食べると胸やけがする」「普段から胃のムカムカ感が続く」という悩みを抱えていました。

病院での検査では大きな異常が見つからず、「体質だから仕方ない」と思い込んでいたそうです。

 ■ カイロプラクティックのアプローチ

背骨を検査したところ、胸椎の後弯(猫背)が顕著で、特に胸椎5番~8番が固まって動かない状態でした。

この部分は、まさに胃へ分布する交感神経と関連する領域。

カイロプラクティックでは、

* 胸椎5〜8番のアジャストメント

* 胸椎全体の可動性改善

* 猫背姿勢の修正

  を中心に施術を行いました。

喩えでいうと…

背骨は「電線が通る配電盤」のようなものです。

その一部が固まってしまうと、胃に届く神経の信号がノイズ混じりになり、働きが乱れます。調整はその配電盤をクリーニングし、信号を正常に戻す作業にあたります。

■ 改善の道のり

週1回 × 6週間

   最初の4回までは変化なし。5回目で「少しマシかな」と変化を実感。

   6回目で「不調を10割とすると3割以下」との報告。

2週に1回へ移行

   さらに1か月後には症状ゼロに。

その後

   月1回のメンテナンスを5年間継続。胃の不調はほぼ再発なし。

■ Q&A

Q1:胃の不調が背骨と関係あるのですか?

A:はい。胃の働きは自律神経が支配しており、その神経は胸椎5〜8番から出ています。背骨の機能が乱れると神経伝達にも影響します。

Q2:病院で異常なしと言われても施術対象になりますか?

A:はい。機能的な問題(背骨の動きや神経の働きの乱れ)は画像には映りませんが、施術で改善が期待できます。

Q3:どのくらいで効果が出ますか?

A:個人差はありますが、本症例では5〜6回目で大きな変化が現れました。継続することで安定した改善につながります。

■ 共感できるテーマ:「恐怖心を和らげる“支え”」

胸やけや胃の不調が続くと、「また食後に気持ち悪くなるのでは」と不安がよぎり、食事そのものが楽しめなくなります。

これは、楽しみにしていた旅行の最中に「また電車が止まるかも」と不安で心から楽しめない状況に似ています。

しかし背骨を整えて神経の働きが回復してくると、その恐怖心から解放され、食事を安心して楽しめるようになります。

 ■ メッセージ

胃の不調や胸やけは、ただの「食べすぎ」や「体質」で片づけられがちです。

しかし、その背景には背骨や自律神経の乱れが隠れている場合があります。

「もう仕方ない」と諦めるのではなく、根本から体を整えることで、再び快適な日常を取り戻すことができます。

私たちは、症状だけでなく「不安のない生活」までサポートする施術を大切にしています。

もし胸やけや胃の不調で悩んでいる方がいたら一緒に安心して食事を楽しめる体を作っていきましょう。